coconosが
できるまで
あまった端材、もったいない!
舞台は、木材で産業製品を作る、とある町工場。製品は丸いものが多く、四角い木材のすみっこが余ってしまうことに「もったいない…」と頭を悩ませる一人の男がいました。彼の名は、岩川宏治。工場ではその端材を薪ストーブの燃料として再利用していましたが、そもそも上質なドイツ産ブナ材の合板、燃やしてしまうなんて「やっぱりもったいない!」。岩川は自分の娘が3歳になった頃、それらを積み木にして持って帰りました。
積み木 × ビー玉=ひらめいた!
しばらくは積み木として使っていましたが、ビー玉で遊んでいた娘を見て、岩川はひらめきました。「積み木に穴を開けて、ビー玉を転がせるようにしたらどうだろう?」彼には、工場で培った“木に穴を開ける技術”があったのです。そしてじつは、大学で専攻した幼児教育の知識もありました。「これを、もっと面白くて、子ども達がワクワクする玩具にしよう!」岩川は、娘と遊びながら、いろんな種類の積み木(パーツ)を作っていきました。
遊びながら、どんどん進化。
遊んでいくうちに「このパーツはいらない」「ここにも穴を開けたら用途が広がる」と無駄が削ぎ落とされ、必要十分なパーツだけが残っていきました。無駄がない=シンプルで役割が明確ということ。見ただけで感覚的に遊べる“説明書のいらないおもちゃ”が完成しつつありました。あとは、どんな組合せでセットにするか?です。組合せは遊びの幅を左右するので、とても重要。岩川は、保育士の友人や子ども達に遊んでもらい、長い月日をかけて選びました。
ここ乗す!から、coconosへ。
最後に、すべてのパーツが収まる木箱も作りました。穴を開けることで、箱も大きな1つのパーツに!箱の中にも玉の道を作れる、というパズルの要素も加わって、遊び方の幅が広がりました。そんなアイデアも、たくさん遊んだからこそ生まれたもの。あ、じつはネーミングもそう なのです。岩川がいつものように娘と遊んでいた時のこと、「次はどこに乗せる?」「うーん、ここ乗す!(乗せる、の関西弁)」そんなやり取りからcoconosという名前が誕生したのでした。やっぱりcoconosは遊びのカタマリなんですね。
開発者について
子どもがどこか親に似るように、 coconosも開発者・岩川宏治に、どこか・・・いえかなり似ています。 coconosに込めた遊びの哲学や想いを、もっと知ってほしいから。 岩川宏治について、ちょっと紹介させてください。
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じつは元プロスノーボーダー
岩川宏治を語る上で欠かせないのが、プロスノーボーダーとして活動した経験です。大学時代から28歳まで、スノーボード一色の青春を過ごした岩川。2009年全日本チャンピオン*1、2011年国内プロスノーボーダーとして6位*2、という成績を残した彼は、ボード1本で雪山を駆け抜ける、その自由と遊び心をカラダ中で実感してきました。頂上からゲレンデを見渡し、さぁどう滑ろうか?と自分のラインを見つける感覚やセンス、その楽しさや達成感。それらはすべてcoconosの遊びに生きています。
- 2009年JSBAスノーボード選手権 ハーフパイプ部門優勝
- 2011年PSA ASIA(プロスノーボーダーズ アソシエイション)
フリースタイルランキング6位
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そもそもは保育士志望
子ども好きな岩川は、そもそも保育士を目指して大学で幼児教育を学んでいました。卒業後、一旦はスノーボードを極める道を選びましたが、2014年に娘が誕生、また子どもの教育と向き合うことになりました。娘と遊ぶ中から生まれたcoconosは、自由にビー玉の道を作りながら、途中で止まったり飛び出したりするのを試行錯誤して、また道を作り直す、ちょっと人生みたいな玩具です。遊びながら道を切り拓く力を、子ども達に。保育士とは違った形ですが、子どもの成長の役に立てたらと考えています。
家業の産業製品工場に
ものづくりの町・東大阪。そこで岩川家は代々、木管や電線ドラムを製造する工場を営んでおり、いま岩川はその三代目として働いています。いろんな工作機械を使って精巧な製品を作る技術を身につけた岩川は、工場でどうしても出る端材(でもすごく質のいいドイツ産ブナ材の合板!)を加工して玩具を作ることを思いつきました。自他ともに認める几帳面な性格から、その開発はとても細かい所まで追求。サイズや機能、パーツの種類に至るまで、シンプルかつ合理的で無駄のないものに仕上げました。
そんな、スノーボードの遊び心と、幼児教育の専門知識、そしてものづくりの技術。岩川がこれまでの人生で得たもの、全部がつながって生まれたのがcoconosです。 一つ一つ手づくりでお届けするこの玩具が、子ども達の人生を豊かにすることを願います。
岩川宏治をもっと知りたい方に !